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ホワイトペーパー

2025年9月版

1. はじめに

近年登場したブロックチェーン技術は、現代の技術革命の中で最も注目を浴びる分野の一つとなっています。データの不変性、分散化、トランザクションの透明性などの特性を持ち、これらが組み合わさることで多くの産業や社会システムに革命的な変化をもたらす可能性を秘めています。

ブロックチェーン技術の応用例は、金融業界における国際送金の高速化やコスト削減、不動産取引の透明性の向上、供給チェーンの追跡性強化など多岐にわたります。また、スマートコントラクトを使用することで自動的に金融取引を行ったり、条件付きの自動販売等を可能とするなど、新しいビジネスモデルやサービスの構築が期待されています。

Japan Open Chainは、Ethereum完全互換のコンソーシアム型のパブリックチェーンです。今後飛躍的に成長するであろうweb3領域において、企業や個人がビジネスを安心して行えるインフラとして設計されました。本チェーンは必要十分な分散性や高いセキュリティ性能・安定性を保ち、信頼できる日本企業が日本法に準拠した運営を行っています。

本ホワイトペーパーでは、次世代の新しい金融インフラとなるJapan Open Chainに関する詳細な情報を記載しております。

1.1 ブロックチェーン技術の歴史と進化

ブロックチェーン技術の歴史は、2008年にサトシ・ナカモトという仮名の人物が発表したBitcoinの白書に始まります。Bitcoinは、中央機関を必要とせずに、ピアツーピアの電子キャッシュシステムを提供するものであり、その背後にブロックチェーンという技術が採用されていたことで、ブロックチェーン技術に注目が集まりました。

Bitcoinの成功を受けて、多くの暗号資産やプロジェクトがブロックチェーン技術をベースとして誕生しました。中でも2015年に登場したEthereumは、単なる通貨としての機能だけでなく、ブロックチェーンの上で自由にプログラミングを動作させることができる「スマートコントラクト」を導入しました。この技術が分散データベース技術であったブロックチェーン技術を、分散コンピューティング環境に引き上げたことで、ブロックチェーン技術の可能性が大きく広がりました。

以降、ブロックチェーンの応用領域は急速に拡大し、フィンテック、医療、エネルギー、不動産、物流など、多くの産業でブロックチェーンの導入や研究が進められています。現在、ブロックチェーン技術は第一世代のBitcoinから始まり、スマートコントラクトやDappsを持つ第二世代、さらにスケーラビリティや相互運用性を強化した第三世代など、進化を続けています。

1.2 Japan Open Chainの開発背景と目的

Ethereumの可能性は素晴らしいものですが、一方でEthereumにはスケーラビリティ、ユーザビリティ、コストなどに非常に多くの問題を抱えています。一秒間に実行できるトランザクションは平均15回にすぎず、プログラムの実行コストは一回あたり数百円から数万円になることもあります。また、ファイナリティ速度やハードフォークによるチェーン分裂、責任の所在が曖昧、といったビジネス利用における様々な課題もあります。Japan Open Chainは、そのような問題を解決するため、日本の信頼性の高い企業に支えられた、Ethereum完全互換のブロックチェーンとして開発されました。

Japan Open Chainの大きな特徴の一つは、Ethereumとの完全な互換性を維持しながらもスケーラビリティとコストを低減するため、そのコンセンサス・アルゴリズムにProof of Authority(PoA)方式を採用したことです。このアルゴリズムの採用により、一秒間に実行できるトランザクションの速度は平均で数百回から数千回まで飛躍的に増加しました。さらにブロックチェーンを利用したビジネスをおこなう際の法的安定性を向上させるため、その運営者であるバリデータに信頼性の高い日本企業を選ぶことで、高速かつ安価で、かつ誰もが安心してweb3ビジネスに利用できる「Japan Open Chain」が誕生いたしました。

今後ブロックチェーン関連市場はAIと並んで飛躍的に成長すると予測されており、日本においてその中心に位置する「Japan Open Chain」は、ITや金融のビジネス分野で新しい可能性を切り開く鍵となるでしょう。私たちは、このプロジェクトを通じて、革新的なイノベーションを皆様にお届けできることを心から願っています。

2. 市場背景と機会

2.1 ブロックチェーン市場の拡大

ブロックチェーン技術は進化を続け、この技術を活用したマーケットは急速に拡大しています。今後も急速に拡大が予想され、2030年までには世界の国内総生産(GDP)を1兆7,600億米ドル、日本のGDPを720億ドル引き上げる可能性を秘めているとされています。

特に、フィンテック、医療、物流、製造業、エネルギーといった産業において、ブロックチェーン技術のメリットが認知され、実際の事業に取り入れられています。金融におけるクロスボーダー取引の効率化、医療データの管理・共有、サプライチェーンの透明性確保など、各分野での導入例が報告されています。

2.2 NFT市場の拡大

2021年頃から、NFT(非代替性トークン)とDeFi(分散型金融)の注目が高くなっています。NFT市場は、2021年1月と12月を比較した場合、月間取引高が+5,438%増加しました。2021年のNFTマーケットプレイスのトップ10プラットフォームの合計年間取引高は2,390億米ドルに達しました。その65%以上はEthereumメインネット上で行われました。

NFTは当初、アートやゲームの分野で特に注目されましたが、現在では、会員証や身分証といった証明書や、チケットとしての利用など、その特性を生かした新たなユースケースが増えてきており、今後の更なる発展が望めます。

2.3 DeFiの登場

DeFi(Decentralized Finance:分散金融取引)の登場で、ブロックチェーン上においたプログラムを利用してNFTや金融商品を取引することで、今までのように誰かが仲介することなく、プログラマブルに金融取引ができることができるようになりました。

市場への資金供給量を示すTVL(Total Value Locked)は、2021年1月の158億ドルから2021年12月の1,692億ドルへと約1,070%増加し、Ethereumはその50%を超える割合を占めています。

今後このDeFiの世界は、証券市場、不動産市場などを含む金融業界すべてを飲み込み、今までとは異なる全く新しい金融の世界を生み出すと考えられています。Japan Open Chainは、法的な安定性が高い日本企業によって運営されているため、DeFiの分野でも非常に利用し易いブロックチェーンとなっております。

2.4 ステーブルコイン市場の拡大

さらに2020年からは、ステーブルコイン市場が飛躍的な成長を続けております。

ステーブルコインは、その価値が特定の資産や通貨、あるいは一組の資産に連動して安定している暗号通貨を指します。ステーブルコインは、暗号資産の価格の大きな変動から来るリスクを緩和するために導入され、近年、市場でその存在感を増しています。

特に、分散型金融(DeFi)の登場と共に、ステーブルコインは取引の媒体や担保としての役割を果たし、DeFiプロトコルの多くがステーブルコインを活用しています。Tether(USDT)、USDC、DAIなど、多数のステーブルコインが市場に流通しており、その総市場価値は急速に増加し、発行量はすでに20兆円をこえています。

ステーブルコインの主な利点は、価格の安定性にありますが、それに加えて、既存金融インフラに比べて安価な送金手数料、プログラマブルなマネーとしての性質がその特徴であり、クロスボーダーの送金や取引の効率化、金融サービスへのアクセスの拡大など、多岐にわたる応用が期待されています。特に開発途上国では、伝統的な銀行システムにアクセスできない人々がステーブルコインを利用することで、銀行口座を持っていない人でも金融サービスを受けることが可能となります。

一方で、ステーブルコインと称されたものの中には、法的な資産裏付けがないまま発行されているものもあり、実際には価値がステーブルではなく、中には詐欺まがいのトークンも存在します。Japan Open Chainでは、日本のステーブルコインに関する法改正をうけて、バリデータや金融機関とともに、銀行が裏付け資産をもつ、法的に非常に安定したステーブルコインを発行する実証実験を既に行っています。

Japan Open Chainは、その法的安定性やトランザクション速度から、ステーブルコインが発行や流通においても、大きな役割を担うことが期待されています。

3. Ethereumとその問題点

このようにNFTやDeFi、Web3の盛り上がりにより、Ethereumメイン・ネットワークをはじめとする、ブロックチェーンインフラが注目されていますが、Ethererumを始めとするパーミッションレス・ブロックチェーンは、その性質上、ビジネス利用していく上でいくつかの課題を抱えています。本章では現状の課題を解説いたします。

3.1 Ethereumの技術方式(PoS方式)

Ethererumは、誰もがソフトウェアをインストールしてEthereumネットワークに接続すれば、すぐにEthereumネットワークの運営者になれるという「パーミッションレス・ブロックチェーン」方式で設計されております。

パーミッションレス方式を採用することで、そのブロックチェーンは特定の個人や団体に過度に依存せずに運営できることになり、各国の法律に準拠していないような内容のサービスでも、その国の国外であれば展開できるという特徴があります。特に強権的な国家などから資産やシステムを防衛したいようなケースにおいては、大きな力を発揮すると考えられます。

当初はProof of Work(PoW)と呼ばれる、Bitcoinでも採用されている方式による参加ノード協調アルゴリズム(コンセンサス・アルゴリズム)を採用していましたが、この方式はコンピュータのパワーを最大限に使う必要があり、電力負荷が高いため地球環境に優しくないという点が問題となりました。

そこで現在EthererumはProof of Stake(PoS)というコンセンサス・アルゴリズム方式に移行し、環境負荷を下げた形でブロックチェーンの生成が行えるようになりました。PoS方式では、Ethereumの運営者になりたければ、32Ether(現在の価格で約12百万円:2024年10月時点)を預け入れることで、バリデータ(運営者)になることができます。

3.2 Ethereumの課題

上記のように、PoS方式を採用することで環境負荷はある程度解決したものの、その特徴からEthereumは別の様々な問題も抱えています。

3.2.1 遅い速度問題

パーミッションレス・ノード方式では、数多くのノード・サーバがPoW方式やPoS方式などのコンセンサス・アルゴリズムを利用して協調しなければならないため、ブロックチェーンのトランザクション・スピードを上げることが難しいという問題もあります。コミュニティが大きくなればなるほど、仕様変更等においても意思決定に時間がかかることになります。現時点において、ビットコインでは世界中のリクエストに対して、一秒間に約7回(7TPS)、Ethereumでも1秒平均で約12回ほどの取引回数となっております。

この取引回数上限は世界中の取引需要を満たすためには大変少ないため、この解決策として、EthereumコミュニティではLayer2チェーンやシャーディングというスケーラビリティを向上するための技術研究と実装が行われています。ただし、Layer2技術はまだ分散化や法的安定性、技術方式に難があり、ビジネス利用するにはまだ様々な課題があるのが現状です。またシャーディング技術に関してはまだ構想段階であり、実装には相当長い年月が必要であると言われています。

3.2.2 高いガス代金問題

Ethereumでは、その取引のためにはgasと呼ばれる費用が必要となっており、Etherという手数料支払いが必要です。現状Ethereumではたくさんのトランザクションを処理できないため、当然トラフィックは集中することになります。利用者が多くなると、手数料通貨であるガス代金とEtherの価格は高騰することになり、結果として現在のEthereumでは、一つのプログラムを実行するのに数百円から、ときには数万円もかかることになってしまいました。

例えばステーブルコインを送金する、というシンプルなユースケースにおいても、一回数百円から場合によっては数千円もかかってしまいます。NFTを5万個発行するのに、100億円以上のコストがかかったこともありました。

このように、Ethereumメインネットにおいては高額な手数料が問題となっており、その利用を妨げる原因となっております。

3.2.3 ファイナリティ問題

パーミッションレス・ノード方式は、非常に多くの参加ノードで協調しなければならないため、その取引が完了したとみなせる瞬間までの時間、ファイナリティのスピードに特有の問題を抱えています。

ブロックチェーンはトランザクションを承認し、それをブロックに含むことでそのトランザクションを"確定"します。しかし、パーミッションレスなブロックチェーンでは、ブロックが確定するまでの時間が一定ではないという問題があります。これは「確率的ファイナリティ」と呼ばれています。

PoS方式ではある程度その問題は解消され、ある程度待つことでファイナリティは確定することにはなりましたが、それでも取引が完全に完了するまでには数十秒から数分間も待つ必要があります。確定するまではあくまで確率的であるため、取引が巻き戻る可能性があります。この振る舞いが、本格的な金融取引等においては大きな問題を引き起こす可能性があります。

3.2.4 51%攻撃問題

ブロックチェーンのコンセンサス・アルゴリズムには、51%攻撃という脆弱性が存在します。これは、ネットワークの過半数を制御することで、トランザクションの改竄や二重支払いが可能となる問題を指します。

PoW方式のブロックチェーン、例えばBitcoinなどでは、51%の計算力を有することでネットワークを乗っ取ることが可能です。大規模なネットワークでは難しいとされるものの、小規模なネットワークではリスクが高まります。また、PoW方式においては電力消費問題も懸念されています。

PoS方式、例えばEthereum 2.0のような場合、コンピュータの計算能力よりも、ステーキングされた資産の量が重要になります。しかし、高額なステーキング要件や罰則システムが存在するため、一般の人々の参加が難しくなる傾向があります。

実際には、Ethereumのような大規模なPoSネットワークでは、個人での参加が難しいためステーキングを代行する企業が増え、これらの企業が多くのステーキングを行うことでネットワーク上の権力が集中しています。このような状況はブロックチェーンの分散性の理念に反するものです。

PoS方式のブロックチェーン上において、ステーブルコインなどの大規模な資産が動いている場合においては、必要なステーキング資産が相対的に少なくなっている場合、大きな組織や国家が介入することでステーキングされている51%以上の資金を投入してネットワークを乗っ取ってしまうことができるリスクも存在します。

結論として、特に小規模なネットワークでPoS方式を導入する際は、51%攻撃や権力の集中といったリスクを慎重に考慮する必要があります。

3.2.5 ハードフォーク問題

NFTはブロックチェーンの仕組みを活用した産物ですが、それを取り扱う上で最も重要な認識すべきリスクとして、ハードフォークがあります。

ハードフォークとは、仕様変更方法の一つで、変更の前後の互換性がないアップデートのことを指します。このハードフォークが行われた際に、両方のチェーンが分割後継続してしまいます。数多くの参加者によって運営されるパーミッションレス・ノード方式は合意形成が難しく、ビットコインやEthereumにおいて、チェーンの分割がこれまでにも何度か行われています。

過去のハードフォークでは、トークン保持者に利益をもたらしたこともありましたが、NFT発行チェーンにおいてハードフォークが行われることは非常に大きなリスクとなります。NFTの重複バージョンが生成されることとなり、NFTは唯一無二のものであるという点と根本的に対立するからです。

また、NFT同様に分裂することができない資産として、ステーブルコインも存在します。当然ステーブルコインも分裂することはできないため、将来的にハードフォークが起こる時には、ステーブルコインの発行者の意図がチェーンの運営に大きく影響するのではないかとの懸念もあります。

3.2.6 法的不透明性の問題

パーミッションレスなブロックチェーンの法的位置付けは、多くの国でまだ明確に定義されていません。これにより、NFTやアプリケーションの法的権限やデータの保護が不確実となっています。特に、国際的なデータ移転規制がある国でのビジネス活動は、ブロックチェーンの使用時に特別な注意が必要です。

これを解決するためには、国際的なブロックチェーンの規範や法的フレームワークの確立が求められます。また、運営者の明確な責任の所在や、データ保護に関する明確な方針の策定も必要です。

現状では、企業がパーミッションレスなブロックチェーンを使うことは法的安定性の上で大きな問題を抱える可能性があります。

4. Japan Open Chainについて

上記の様な課題解決のため、Japan Open Chainは、安心・安全にWeb3ビジネスが実現できるよう、Ethereumと互換性を持つブロックチェーンインフラとして開発されました。日本の法律に準拠した運営を信頼できる日本企業が行い、十分な速度・分散性と高いセキュリティ・安定性を確保するコンソーシアム型のパブリックチェーンとして設計されています。

4.1 コンセプトと目的

Japan Open Chainは、世界中のどのユーザーも利用できる、Ethereum互換のコンソーシアム型のパブリックチェーンです。このチェーンの特徴として、Ethereumとの完全な互換性を持ちながら、Proof of Authority (PoA) アルゴリズムを採用しており、これにより高速なトランザクション処理を実現しています。

PoA方式は、PoS方式に比べるとバリデータの分散性は低いものの、優れたスケーラビリティと高速性を有します。Japan Open Chainでは、このアルゴリズムの採用により、Ethereumメインネットと比較して大幅に速いトランザクション速度を達成しております。

PoA方式では、どのような人がそのバリデータとなっているかという点が重要です。そこでJapan Open Chainでは、社会的信頼性の高い日本の主要企業がバリデータとなることで、PoA方式の課題を解消しました。バリデータとしてソニーグループ、NTTグループ、電通グループなどの企業の他、大学やweb3・暗号通貨関連の企業やスタートアップなど続々と参加企業が増えております。

このように、Japan Open Chainは現実のビジネスニーズと技術的な課題のバランスを考慮し、政治的・法的安定性を持つ日本での運用を前提としたEthereum互換のブロックチェーンとして位置づけられています。

4.2 ネットワーク全体像と技術アーキテクチャ

Japan Open Chainは、広く知られているオープンソースのEthereumノードソフトウェア、Go Ethereum(Geth)をベースにしたブロックチェーンネットワークを展開しています。

現在の技術構成(v1 - Clique PoA)

Cliqueコンセンサスアルゴリズム: 現在のJapan Open Chainは、GethのClique Proof of Authority(PoA)アルゴリズムを採用しています。Cliqueは以下の特徴を持ちます:

  • 認証済みバリデータ:21社の信頼できる日本企業がバリデータとして参加
  • ブロック生成:各バリデータが順番にブロックを生成(15秒間隔)
  • 即時ファイナリティ:過半数のバリデータの署名でブロックが確定
  • 高速処理:秒間数千のトランザクション処理が可能

ネットワーク運用: 各バリデータがGethノードを運営し、ネットワークの安定性を確保しています。日本ブロックチェーン基盤株式会社が定期的に運営状況の監査を行い、ネットワークの健全性と透明性を維持しています。

ネットワークアクセス: ユーザーは、ノード・プロバイダーやRPCエンドポイント・プロバイダーが提供するインターフェースを利用して、Japan Open Chainに容易に接続できます。標準的なEthereum JSON-RPC APIに対応しているため、既存のEthereumツールやライブラリがそのまま利用可能です。

4.3 技術的特徴

4.3.1 Ethereumとの互換性

Ethereumは世界で最も多くのユーザーが参加するブロックチェーンネットワークです。Japan Open Chainは、この巨大なエコシステムとの互換性を持つことを主眼に置き、Ethereum運用ノードとして最も人気がある「Go Ethereum(Geth)」ソフトウェアをそのまま利用しています。これにより、Ethereum上で動作するアプリケーションやツールがJapan Open Chainでも問題なく動作するほか、ソフトウェア開発においてもEthereumコミュニティの多大な恩恵を享受する事ができます。

Japan Open Chainは、本質的にはEthereumコミュニティの一部であり、Ethereum財団が認定するEVM互換チェーンとして81番の番号を割り当てられています。

4.3.2 Proof of Authority (PoA) から Proof of Staked Authority (PoSA) への移行

Japan Open Chainは、現在のClique PoAから、より進化したProof of Staked Authority (PoSA)への移行を進めています。2025年末のTokyo Hardfork(v2)では、Ethereumのビーコンチェーン技術を導入し、バリデータ管理をスマートコントラクトで制御する仕組みを実装します。

2026年のOsaka Hardfork(v3)では、3層構造のバリデータシステムを導入:

  • コアバリデータ(21社):日本の信頼される企業・組織、技術的・法的ガバナンスに参画
  • スタンダードバリデータ(最大500社):100,000 JOCステーキング必須、ブロック生成に参加
  • コミュニティバリデータ(無制限):100,000 JOCステーキング必須、ネットワーク監視とガバナンス投票に参加

この階層的アプローチにより、高速性と分散性のバランスを実現し、金融業界の要求する「完全ファイナリティ」を維持しながら、より多くの参加者がネットワークに貢献できる仕組みを構築します。

4.3.3 トランザクション速度とスケーラビリティ

Japan Open Chainは、技術進化により段階的にトランザクション処理能力を向上させます:

  • 現在(v1):秒間数千回のネイティブトークン送信、秒間数百回のスマートコントラクト実行
  • v2 Tokyo Hardfork(2025年末-2026年):最大5,000TPS(理論値10万TPS)を目指す
  • v3 Osaka Hardfork(2026年-2027年):マルチ階層バリデータによる処理効率の向上
  • v4 Kyoto Hardfork(2027年-2028年):耐量子セキュリティと並行して性能最適化
  • v5 Gifu Hardfork(2028年-2029年):IOWNなど日本技術を活用した遅延低減
  • Beyond Gifu(2029年〜):zkRollupネイティブ統合により秒間数万トランザクションを目標

この性能は、Ethereum本体が約15〜20 TPS、Polygonなどのサイドチェーンが数百TPS、Solanaなどの高速チェーンに対しても、Japan Open Chainは5,000 TPSを安定的に実現することで、それらを大きく上回る処理能力を発揮します。また技術的な潜在可能性として10万TPS以上を見据えることで、中長期的なトランザクションの増加にも対応していきます。

4.3.4 JOC COIN

Japan Open Chainの動作に必要な手数料トークンとして、ネイティブな暗号資産である「JOC COIN」が使用されます。このトークンは、ネットワーク上のサービス利用料やバリデータへの報酬としても機能します。

4.3.5 法的安定性

Japan Open Chainは、日本の法律と規制の下で運営されています。これにより、ビジネスや金融取引を行う企業や個人にとって、法的な安全性が高まります。

4.4 ガバナンスモデル

4.4.1 段階的な分散化アプローチ

Japan Open Chainは、段階的にガバナンスを分散化していきます:

v2(2025年末)- Tokyo Hardfork

  • オンチェーンバリデータ管理
  • Safe(7オーナー/3署名)→ Timelock(7日)→ Core21過半数(11/21)veto権

v3(2026年)- Osaka Hardfork

  • DAO-NFT認証システム(Lv3=Core、Lv2=Standard、Lv1=Community)
  • 提案種別:Standard提案、Fast-Track提案、Emergency Pause
  • コンソーシアム税(15-30%)による持続可能な運営

v4-v5(2027-2028年)

  • オンチェーン完全昇降格制度
  • Dynamic Governance(提案種類に応じて闾値可変)
  • Delegated Staking & Electionモデル
  • 海外バリデータ比率30-50%への拡大

4.5 セキュリティへの対処

一般的に、ブロックチェーンがハッキングされる際には、そのコンセンサス・アルゴリズムの脆弱性をつくケースか、ブロックチェーンを支えるソフトウェアのセキュリティホールへの攻撃となります。Japan Open Chainのセキュリティは、その基盤となる技術と運用方法の両方により、担保されています。

4.5.1 技術的アーキテクチャ

Japan Open Chainでは、Ethereumネットワークで最も広く使用され、長年にわたってテストと改善が繰り返されてきたGo Ethereum(通称Geth)およびNethermindクライアントを採用しています。複数のクライアント実装を採用することで、単一の実装に依存するリスクを低減し、ネットワークの堅牢性を高めています。これらの実績あるソフトウェアは、多くの攻撃や脆弱性の試験を乗り越え、その安全性が担保されています。

4.5.2 運用モデル

そのコンセンサス・アルゴリズムであるProof of Authority(PoA)コンセンサスアルゴリズムは、Gethの公式アルゴリズムの一つでもあり、その特性から、攻撃者がネットワークを乗っ取るためには、多数のバリデータノードを乗っ取る必要があります。Japan Open Chainの場合、これらのバリデータは、日本の社会的信頼を持つ企業や組織によって運用されています。これは、攻撃者がネットワークの過半数を制御するためには、日本の主要企業を同時にハッキングしなければならないことを意味します。このような大規模かつ高度な攻撃は、実質的に非常に困難であることが、Japan Open Chainのセキュリティを強固にしています。

このように、Japan Open Chainは、技術的アーキテクチャと運用モデルの双方から、十分なセキュリティを提供しています。

5. エコシステムとパートナーシップ

5.1 Japan Open Chain上のプロジェクト

Japan Open Chain上ではすでに様々なプロジェクトが始動しています。特にJapan Open Chainはその性質上、金融や自治体など日本の法律に準拠する必要があるプロジェクトとの相性が良いため、そのような分野での取り組みが進んでいます。

5.2 ステーブルコイン関連プロジェクト

2023年6月より、新しい資金決済法が施行され、日本法の下ステーブルコインを実現することができるようになりました。その法律改正を受けてバリデータの一社であるG.U.テクノロジーズ社が進めるステーブルコインプロジェクトでは、あおぞら銀行、ふくおかフィナンシャルグループ内のデジタルバンクであるみんなの銀行、きらぼし銀行、四国銀行などと一緒にJapan Open Chain上でステーブルコインを発行する実証実験をすすめています。また、この動きに加えて、海外の金融機関によるJapan Open Chain上でのステーブルコイン発行の検討も始まっているところです。

銀行が発行したコインの価値を担保するステーブルコインは、世界でもまだほとんど例がなく、暗号資産業界での権威のある媒体である海外版CoinDeskでも取り上げられるなど、世界的に注目されるプロジェクトとなっています。このプロジェクトが進捗すると、現在数百円、国際送金では数千円もかかっている銀行間送金や、数%の手数料をとられているクレジットカード決済などの世界で1円未満の手数料での決済が実現することになり、金融の世界に大きな変革をもたらすと考えられています。

上記に加えて、web3の世界においては「プログラマブル・マネー」という、お金をプログラミングして自由に動かすことができる世界が来ると言われています。例えばある一定の条件を満たすと自動的にお金が支払われたり、取引所を通さずにブロックチェーン上で為替の取引をしたり、AIが自分に変わって資金を運用してくれるような世界が来るでしょう。

ステーブルコイン市場だけでも現在26兆円の市場となっていますが、今後5年間で約400兆円のマーケットに成長すると予測されております。Japan Open Chainはその中心となるインフラの一つとして位置づけられることを目指します。

5.3 NFT関連プロジェクト

地方自治体のDXをより進めるために、eレジデンシーの取り組みが注目されています。バリデータの一社であるソニーグループ子会社のコーギア株式会社では、石川県加賀市と提携してJapan Open Chain上で発行されたNFTによるeレジデンシーの実証実験を進めています。

eレジデンシーとは、その自治体に住んでいない方であっても、その自治体が発行するeレジデンシー会員証を保有すれば、自治体の一部サービスを受けられたり、地域の商店で割引が受けられたりなどする制度です。国家レベルでは、エストニアがe市民権を発行したことで注目されました。

今後リモートワークの進展などにより、人々は地域をまたいで生活するようになり、場合によっては特定の居住地域を決めずに様々なところに移動しながら生活していく生活スタイルも普及すると考えられており、eレジデンシー制度はその一翼を担う制度となるでしょう。

その他、日本郵便による、『「みらいの郵便局」による地域の魅力発信』の取り組みでのNFT発行に採用された他、デベロップメント・パートナーとして複数のNFT発行ソリューション企業との提携もすすんでおります。今後様々な種類のNFTが発行されていくことになると考えております。

5.4 グローバル・プロジェクトとの連携

Japan Open Chainでは、日本国内のみならず海外のノードプロバイダー、クロスチェーン・プロトコル、暗号資産交換所、DeFiプロジェクト、等との提携を進めています。サポートしたプロジェクトについては逐次ウェブサイトもしくはSNS等で公表していきます。

5.5 その他

その他、金融、サプライチェーン、不動産、エンターテイメント、教育などの分野での分野での利用が検討されており、いくつかのプロジェクトが実際に動き出しています。各プロジェクトに関しては、発表できる段階になりましたら逐次ウェブサイトもしくはSNS等で公表していく予定です。

Japan Open Chainは、様々な分野の企業とのパートナーシップを通じて、日本と世界のweb3技術の普及に貢献していきます。

6. トークンエコノミクス

6.1 JOC COINの役割とメリット

Japan Open Chainの中心で動作するJOC COINは、送金やNFTの発行、スマートコントラクトの展開など、プラットフォーム上の多様なトランザクションに必要な手数料通貨です。つまり、Japan Open Chain上で取引を行う際には、その手数料としてJOC COINを支払う必要があります。ただし、手数料は他の誰かに負担して払ってもらうこともできるため、取引当事者が負担しないで取引ができる場合もあります。

バリデータはそのトランザクションの真正性を確認し、問題がないことが検証されれば、新しいブロックを生成し、その内容を自分の権限で既存のブロックチェーンに付け加えます。その労力の対価としてガス代としてのJOC COINを受け取ることが、このエコシステムの基盤を形成しています。

Ethereumと同様、JOC COINのトランザクション手数料のメカニズムも、市場の需給とともに動的に調整されることで、公平性と透明性が保たれます。Japan Open Chainのニーズが高まればJOC COINは上昇し、ニーズが加熱した際に価格が上昇することでトラフィックを抑える効果も発揮します。そのように受給がバランスすることで、Japan Open Chainのトラフィックの安定性が保たれます。

加えて、JOC COINは、Japan Open Chainのエコシステムの発展に寄与すると考えられる協力者や外部開発者に対して、助成金や資金提供を通じて、新しいアプリケーションやdAppsの開発を奨励する資金としても利用されます。JOC COINを受け取った開発者などは、自分の成果がエコシステムを拡大させれば株式やストックオプションのように、値上がりも期待できることになります。

6.2 発行総数

JOC COINは発行総数10億トークンがネットワーク作成時に鋳造(mint)されており、基本的には今後増えることはありません。Japan Open Chainのロンドンハードフォークが適用される予定となっているので、今後利用可能総数は徐々に減っていくことになります。つまり、JOC COINはデフレ通貨であり、持っているだけで通貨の本質的価値は上昇していくものと考えております。

6.3 Japan Open Chainトランザクション手数料のメカニズム

6.3.1 ガス

ガスは、Japan Open Chainのブロックチェーン上の取引の支払いに使用されます。各取引に必要なガスの量は、取引の複雑さによって異なります。JOC COINの単純な送金には21,000ガスが必要ですが、より複雑な取引(例えば、分散型金融DeFiで使用されるもの)には、1,000,000 ガスを超えるガスが必要となる場合があります。

6.3.2 ガス・プライス

ガスには価格があり、「ガス・プライス」と呼ばれます。ガス・プライスはgweiで表記され、1 JOC=1× 10^9 (1,000,000,000) gweiとなります。ガス・プライスが100 gweiの場合、21,000ガスの取引には21,000 × 100 = 2,100,000 gwei (0.0021 JOC)のコスト=ガス代がかかります。

取引に必要なガスの量は一定となりますが、ガス・プライスは変動します。ユーザーは取引送信時にガス・プライスを設定し(これはウォレットソフトウェアによって自動的に行われることが多い)、取引はその後、バリデータによって承認され、承認したバリデータに取引手数料として、ガス代が支払われます。

6.4 ステーブルコインとの相互関係

ステーブルコインは、ERC20という規格でJapan Open Chain上で発行される予定です。JOC COINは、ステーブルコインの送金に手数料通貨として利用されます。つまり、Japan Open Chain上でステーブルコインがたくさん発行され、送金に利用されるたびにJOC COINが消費されることになります。

ステーブルコインは、今後すべてのweb3の金融取引の中心となると考えられるため、ステーブルコインがどの程度そのブロックチェーン上で発行されているのかは、そのブロックチェーン上の手数料通貨であるJOCの価格形成に影響します。

上記から、様々な銀行がステーブルコインがJapan Open Chain上で発行することで、よりJapan Open Chainのトークンの価値が上昇し、Japan Open Chainに参加しているコミュニティ皆が恩恵を受けることになります。

7. トークンセールについて

7.1 トークンセール(IEO)の概要

JOC COINは、日本法における改正資金決済法2条第14項1号が定めるいわゆる「1号暗号資産」に該当します。JOC COINの販売は、下記「トークンセール(IEO概要)」に記載の通り実施済みです。

トークンセール(IEO概要)

項目内容
トークン正式名称JOC COIN
発行者日本ブロックチェーン基盤株式会社
ティッカーシンボルJOC
トークン規格Japan Open Chain ネイティブトークン
※Japan Open Chainは、Ethereum互換のコンソーシアム型のパブリックチェーンです。
法的位置付け改正資金決済法2条第14項1号が定めるいわゆる「1号暗号資産」
IEO販売枚数50,000,000枚(総発行枚数の5%)
IEO実施業者日本ブロックチェーン基盤株式会社
販売方法IEO実施会社より発表
販売対象者IEO実施会社のアカウント開設者
スケジュール2024年12月に実施済み(総額約90億円の申込、約12億円分のJOCを販売)

7.2 IEOで調達した資金使途

IEOによって調達した資金の使途内訳は以下の通りです。

  • 24%:プロトコル・アプリケーションの研究・開発促進
    • Japan Open Chainや、チェーン上で動くアプリケーションの研究・開発促進のために使用されます。
  • 22%:マーケティング
    • エコシステムのユーザー拡大や、Japan Open Chainを利用する新規コンテンツの獲得などに使用されます。
  • 17%:オペレーション
    • 運営スタッフの報酬に使用されます。
  • 22%:コントラクター支払い
    • Japan Open Chainの安定運用に必要となる、暗号資産交換業者や会計士・弁護士などの外部業者への支払いに使用されます。
  • 15%:予備

資金使途は、最終的な資金調達額が確定した後に以下の範囲内で変動する可能性があります。

  • 20 - 30%: プロトコル・アプリケーションの開発促進
  • 20 - 30%: マーケティング
  • 12 - 21%: オペレーション
  • 18 - 25%: コントラクター支払い
  • 10 - 20%: 予備

7.3 初期アロケーション

Japan Open Chainでは、鋳造(mint)可能なJOC COINの上限数は10億トークンとなっており、ネットワークがスタートした際に全量が鋳造(mint)されました。鋳造されたトークンは、認定資金決済事業者協会であるJVCEA(一般社団法人日本暗号資産等取引業協会)と金融庁により管理監督を受けている暗号資産交換業者による審査を経て、IEOを行っていく予定です。初期の段階においては、トークンの発行者となる日本ブロックチェーン基盤株式会社を中心に、共同運営体含む発行体によって管理され、良質なトークンエコノミーの形成にむけてコミュニティへ貢献する各当事者へ発行が行われていきます。

  • トークンセール(IEO):5% (50,000,000 JOC)
    • トークンセール(IEO)にて販売されます。
  • 初期支援者:10.0% (100,000,000 JOC)
    • プロジェクトの初期段階の投資家や支援者に付与されます。
  • バリデータ:13.4% (134,200,000 JOC)
    • ノード運営を⾏うバリデータに配布が⾏われます。
  • 研究・開発:19.5% (195,000,000 JOC)
    • 開発者へのインセンティブに使用されます。
  • コミュニティ運営:10.0% (100,000,000 JOC)
    • Japan Open Chainの維持、発展のための基金です。
  • エコシステム:30.1% (300,800,000 JOC)
    • エコシステムのユーザーの拡⼤、およびJapan Open Chainを利⽤する新規コンテンツの獲得などに使⽤されます。
  • パートナー報酬:12.0% (120,000,000 JOC)
    • エコシステム拡張を行う支援者へのインセンティブとして使用されます。

なお、全量が発行し終わった後、日本ブロックチェーン基盤株式会社は、新たなトークンを鋳造することはなく、ブロックチェーン・ネットワークおよびJOC COINの運営管理会社としてバリデータ・ノード運用状況の監査や良質なトークンエコノミーの支援、技術的研究の推進、および金融庁等への毎年のネットワーク及びトークン状況の報告などを行っていきます。そのための費用は、各バリデータからのコンソーシアム参加費とトークン収入等で賄われます。

7.4 ロックアップスケジュール

それぞれの割当には、ロックアップが設定されており、IEO後に過大な売り圧力とならないような配慮がされています。

  • トークンセール(IEO):5.0% (50,000,000 JOC)
    • トークンセール(IEO)にて販売されます。全量がロックアップされることなく、市場で流通します。
  • 初期支援者:10.0% (100,000,000 JOC)
    • 初期支援者ごとにロックアップスケジュールが異なるため一律になるわけでは有りませんが、IEO時に一部、6ヶ月経過後徐々にロックアップ解除となり、18ヶ月後に全トークンの流通が可能となります。詳細な月ごとの解除スケジュールは別途資料にて公開される予定です。
  • バリデータ:13.4% (134,200,000 JOC)
    • メインネット立上げ後、最大100ヶ月をかけて全量のロックが解除されます。IEO前に割り当てられた配布分については、IEO実施から18ヶ月をかけて解除されます。バリデータの参加時期などで分量が異なるため一律には決まりませんが、詳細な月ごとの解除スケジュールは別途資料にて公開される予定です。
  • 研究・開発:19.5% (195,000,000 JOC)
    • IEO6ヶ月後より60ヶ月に分け均等にロック解除となります。
  • コミュニティ運営:10.0% (100,000,000 JOC)
    • IEO6ヶ月後より60ヶ月に分け均等にロック解除となります。
  • エコシステム:30.1% (300,800,000 JOC)
    • 割り当ての半分はロックアップされており、IEO後36ヶ月かけてロック解除されます。残りはロックアップはされていませんが、IEO時点から海外取引所への流動性提供、その他エコシステム拡大のため、に使用されていきます。
  • パートナー報酬:12.0% (120,000,000 JOC)
    • IEO後54ヶ月かけて段階的にロック解除されます。パートナーごとにロックアップスケジュールが異なるため一律になるわけでは有りませんが、詳細な月ごとの解除スケジュールは別途資料にて公開される予定です。

ロックアップ解除割合表(各年度末)

対象総数量2024年2025年2026年2027年2028年2029年2030年2031年2032年
IEO50,000,0005.00%5.00%5.00%5.00%5.00%5.00%5.00%5.00%5.00%
初期支援者100,000,0001.12%6.53%10.00%10.00%10.00%10.00%10.00%10.00%10.00%
研究開発195,000,0000.00%2.27%6.17%10.07%13.97%17.87%19.50%19.50%19.50%
コミュニティ運営100,000,0000.00%1.17%3.17%5.17%7.17%9.17%10.00%10.00%10.00%
バリデータ(共同運営者)134,200,0000.00%3.19%5.76%7.42%9.16%10.90%12.10%13.10%13.42%
エコシステム300,800,00015.04%20.05%25.07%30.08%30.08%30.08%30.08%30.08%30.08%
パートナー120,000,0000.75%5.26%8.56%10.11%11.45%12.00%12.00%12.00%12.00%
累計1,000,000,00021.91%43.48%63.72%77.86%86.83%95.03%98.69%99.68%100.00%

なお、上記は、現段階でのロックアップ・スケジュールを示しており、現在まだロックアップ付きトークンの付与が確定していない(未来のバリデータ等)などの事情から、解除スケジュールは変更される可能性があります。変更された情報は、暗号資産交換業者を通じて適切にマーケットに告知される予定です。また、ロックアップが解除されたトークンが全て売却されるわけではないため、ロックアップ解除と同時に全てのトークンが流通するわけではありません。確実な流通予測を立てることは困難ですが、現在の状況や事業計画等を踏まえ、実際に流通するであろうトークン量の予測を以下に示しておきます。

7.5 世界でのJOC COIN上場及び流動性

JOC COINの2024年11月のIEOでは、約90億円の申し込みがあり、約12億円分のJOCが販売されました。IEO後、日本及び世界中の暗号資産交換所で順次上場し、現在、国内主要取引所および海外の複数の暗号資産交換所で取引されており、日本のみならず世界中で高い流動性を実現しています。今後も取引所の拡大を継続し、さらなる流動性の向上を目指します。

8. 運営体制とガバナンス

8.1 バリデータとその役割

Japan Open Chainのバリデータは、NTTグループ、SONYグループ、電通グループを始めとする日本の主要企業から選出されています。これらのバリデータは、ネットワークの安定性とトランザクションの正確性を担保する役割を持っており、日本のビジネスエコシステムに深く根ざした組織として、Japan Open Chainの信頼性を高めています。さらに、エコシステムの多様性と持続的な成長を促進するために、今後も信頼性のある金融グループ、メディア、その他暗号資産関連の企業やスタートアップなどもバリデータとして迎えられる予定です。

8.2 Japan Open Chainの運営組織とその責務

Japan Open Chainのコンソーシアムの運営管理者として、日本ブロックチェーン基盤株式会社がコンソーシアムの中心的存在として位置づけられています。この組織は、Japan Open Chain事務局の設置と運営を担当しており、コミュニティの安定運営を目指して活動しています。日本ブロックチェーン基盤株式会社は、認定資金決済事業者協会であるJVCEA(一般社団法人日本暗号資産等取引業協会)と金融庁により管理監督を受けている暗号資産交換業者による審査を経て、IEOを実施します。IEO実施後も、IEOを実施した暗号資産交換業者よりプロジェクトの進捗に関する情報開示態勢や調達資金の適正な管理態勢等について継続的なモニタリングを受けることになります。

詳細情報は、公式ウェブサイト https://www.jbfd.org/ で確認することができます。

8.3 Japan Open Chainパートナー

Japan Open Chainは、多様なステークホルダーとの連携を重視しています。特に、デベロップメント・パートナー制度を通じて、様々な組織との提携を推進しています。このエコシステムに参加するすべてのユーザーやパートナーは、Japan Open Chainの成長と革新において不可欠な存在であり、共に新しい価値を創出していくことを目指しています。パートナーの詳細は随時更新されておりますので、公式ウェブサイト(https://www.japanopenchain.org)にてご確認下さい。

9. ロードマップ

本章では、Japan Open Chainの今後のロードマップについて詳細に説明いたします。Japan Open Chainは、2025年から2030年以降にかけて、段階的なハードフォークと新機能の導入によって進化を遂げるためのロードマップを策定いたしました。

9.1. ロードマップの概要

Japan Open Chainは、以下の5つの主要なハードフォークを通じて進化を遂げます:

  • Tokyo Hardfork(2025年末-2026年予定):PoSA(PoAv2)への移行、Ethereum「Prague/Electra」との同期、最大5,000 TPSを目指す
  • Osaka Hardfork(2026年-2027年予定):コアバリデータ21社に加え、500社のスタンダードバリデータ導入、最大5,000万JOCのステーキング
  • Kyoto Hardfork(2027年−2028年予定):耐量子セキュリティ強化、バリデータ分散化、災害耐性の強化
  • Gifu Hardfork(2028年以降予定):IOWNなど日本技術を活用し遅延低減、永久ストレージ層の分散化
  • Beyond Gifu(2029年〜2030年以降予定):zkRollup、動的ガバナンス、クロスチェーンブリッジなど先端機能を段階的に導入

これらを通じて、Japan Open Chainは「世界最高水準の性能」「耐量子セキュリティ」「革新的ガバナンス」を備え、次世代の国際金融インフラとしての地位を確立してまいります。

9.2. ロードマップの詳細

9.2.1 Tokyo Hardfork – Japan Open Chain v2(2025-2026)

2025年末から2026年にかけて予定する「Tokyo Hardfork」では、従来のClique PoAからEthereumメインネットのPoSに近いビーコンチェーンを利用した新しいPoSA方式(PoAv2)へ移行し、Nethermindノードをバリデータノードとして採用いたします。これにより、Ethereumメインネットの最新バージョン「Prague/Electra」と同期し、Ethereumとの互換性をさらに強化いたします。

また、Nethermindノードの持つ潜在的な10万TPS超の処理性能を活かすための技術基盤を整備し、実際の運用においてはストレージ容量などを考慮しつつ、ガスリミット(ブロックあたりの処理量制限)を調整することで、まずは最大5,000 TPSまでネットワーク性能を引き上げてまいります。

この性能は、Ethereum本体が約15〜20 TPS、Polygonなどのサイドチェーンが数百TPS、Solanaなどの高速チェーンに対しても、Japan Open Chainは5,000 TPSを安定的に実現することで、それらを大きく上回る処理能力を発揮します。また技術的な潜在可能性として10万TPS以上を見据えることで、中長期的なトランザクションの増加にも対応していきます。

主な特徴:

  • PoA v2 + Beacon Chain分離による実行/コンセンサス層の高度化
  • オンチェーン・バリデータ・レジストリによる新ガバナンスモデル
  • 処理性能を最大5,000 TPSへ引き上げを目指す(理論値10万TPS)

本フェーズの実現により、今後利用が見込まれるステーブルコインや株式トークンなどの金融取引や大規模オンチェーンゲームなど、高頻度かつ高信頼性が求められる分野での採用がさらに見込まれます。

なお、名前の由来としては、日本の首都であり、かつ金融の中心である「Tokyo」の名前がふさわしいとのことで、首都東京が採択されました。

9.2.2 Osaka Hardfork – Japan Open Chain v3(2026-2027)

本ハードフォークでは、21社のコアバリデータに加えて、500社のスタンダードバリデータが参加できる仕組みを導入いたします。本ハードフォークにより、より分散的なブロックチェーン運営体制としながらも、コアバリデータによりガバナンスの統制がききやすい体制となり、さらなる安心・安全なブロックチェーンとして発展していきます。

主な特徴:

  • マルチ階層バリデータ(Core 21、Standard 500)による分散化
  • NFT認証 + ステーキングによる国内外のバリデータの参入
  • 100,000 JOCのデポジット(予定)による最大5,000万JOCのステーキング枠

スタンダード・バリデータは、コンソーシアム管理者による審査の後、一定の条件を満たした組織に発行される認証NFT、および一定以上JOCのステーキングにより承認されます。

本ハードフォーク実施後は、従来の日本国内のコアバリデータだけではなく、日本国外からのバリデータの参入を可能とし、ネットワークの分散性と耐障害性が格段に向上します。加えて、手数料シェアリングモデルの導入がステーキング需要を拡大し、JOC COIN投資家への潜在的な需要が高まります。主要な議決に参加できるコアバリデータは日本企業にかぎることで、日本国がもつ政治的・経済的安定性は引き続きチェーンのガバナンスに寄与します。

なお、名前の由来としては、現在世界中からのパビリオンが日本に集結する万博が行われている地であることから、世界中からバリデータが参加する未来を早期させる「Osaka」の名前が採択されました。

9.2.3 Kyoto Hardfork – Japan Open Chain v4(2027-2028)

本ハードフォークでは、世代をこえてデータを引き継ぐための、以前からJapan Open Chainが掲げている「1000年持続するチェーン」のための設計をより進化させます。

そのためにはすでにEthereumコミュニティでの量子耐性への研究結果などを参考に、量子コンピュータへの耐性への検討を本格化します。同時にさらなるバリデータコミュニティ運営やサーバの日本国内での地理的分散性を更に推し進め、災害時にも強いネットワークを目指します。

主な特徴:

  • 量子耐性導入の本格化
  • バリデータコミュニティ運営のさらなる分散化
  • サーバ国内地理的分散性の強化

本ハードフォーク後、ポスト量子時代にも耐えうるセキュリティを備えることで、長期保有資産や国家レベルの重要データを安全に保全できます。これにより、政府機関や金融機関など規制の厳しい分野での採用が更に加速し、信頼性を重視するユーザー層からより利用しやすいチェーンとなります。

なお、名前の由来としては、「1000年以上続く都」である日本の古都である「京都」の名前にちなんで、「Kyoto」ハードフォークと名付けられました。

9.2.4 Gifu Hardfork – Japan Open Chain v5(2028-2029)

本ハードフォークでは、日本のNTT社のIOWNを始めとする日本の技術を利用した高速ネットワークの導入を通じたコンセンサス層の遅延の軽減、災害に強い地域や国内外の政治的・地理的に安定した土地を利用した永久ストレージ層の分散化、を行います。

主な特徴:

  • コンセンサス層遅延低減、高速ネットワークインフラ
  • 永久ストレージ層の冗長化
  • 日本・スイス等複数拠点でのビーコン冗長化、L2最適化

エッジEndpointにおいても極めて低い遅延性能と高可用性を実現することで、高頻度取引やIoTデバイス通信、メタバース内でのリアルタイム体験など、遅延が致命的となるユースケースに十分対応可能となります。こうした性能向上は、利用者体験を大幅に向上させ、エコシステム全体の利用促進を後押しします。

なお、名前の由来としては、海外から非常に人気の高い観光地であり、かつ地理的に強い岩盤を持ち、ニュートリノ検出器など日本の科学技術において重要な設備が設置されている岐阜にちなんで、「Gifu」ハードフォークと名付けられました。

9.2.5 Beyond Gifu(2029〜2030以降)

それ以降の予定は現在のところまだ不確定要素が大きいですが、年に1度のペースで技術的およびオペレーションの改善や相互運用性、スケーラビリティ、ガバナンスの革新を推し進めていきます。

想定されるハードフォーク一覧:

  • Sapporo v6:ネイティブzkRollup、MEV安全設計、プライバシー強化
  • Nagoya v7:委任型ステーキング、動的ガバナンス、AI投票支援
  • Fukuoka v8:信頼最小化クロスチェーンブリッジ導入(IBC/XCM)

※なお予定は変更になることがございます。

9.3. ネイティブトークンの名称変更(JOC COIN)

2025年9月1日より、エコシステムの国際的な認知向上を目的としたブランド戦略の一環として、これまで「Japan Open Chain Token」として親しまれてきたネイティブトークンの名称をより発話しやすい「JOC COIN」へ変更いたします。これにより、開発者や利用者、投資家等にとって直感的で覚えやすくなるだけでなく、「COIN」という呼称によって決済手段や資産性や投資対象としての位置づけも明確になり、かつ地理的要因を排除することで戦略的備蓄の進むビットコインなどのようにグローバルマーケットでの浸透をより一層加速させます。

9.4. 開発ロードマップ

Japan Open Chainでは、ブロックチェーン・web3技術の発展のための技術研究への投資を行っていきます。

9.4.1 技術研究

  • プロトコルの改善: TPSの向上、量子耐性の実現、堅牢性の強化
  • ツール・アプリケーション: ユーザビリティ強化のためのウォレット技術やアプリケーションの開発、EIP4337などのスマートアカウント対応
  • インターオペラビリティ: 他のブロックチェーンとの連携強化

9.4.2 各種ツールの開発

  • Ethereum互換性を活かしたツールの採用
  • web3ソリューションのマスアダプションへの対応として、ウォレットや認証方式、NFT管理ツールの開発

9.5. プロジェクトロードマップ

Japan Open Chainの発展のために、様々な企業・web3事業者とプロジェクトを進めていく予定です。

9.5.1 ステーブルコインの発行

  • きらぼし銀行、みんなの銀行、四国銀行、その他金融機関と提携し、日本円及び外国通貨建てのステーブルコイン発行の実証実験を進行中
  • また、NFTの販売などのweb3決済や既存決済でより安価な手数料かつ即時入金を実現するためにステーブルコインを活用を希望する事業者と共に実証実験を進める
  • これにより、暗号資産を介せずにNFTを売買できるなど、企業がweb3ビジネスに参入しやすい環境をつくる

9.5.2 アライアンス・パートナーの拡大

  • 暗号資産交換所とのパートナーシップ締結、リスティングの実施
  • グローバルノードプロバイダーやNFTマーケットプレイスとの協力強化
  • クロスチェーン・プロトコルとの連携
  • NFT、DeFiパートナーとの連携

9.5.3 運用フェーズ

  • フェーズ0-2: 立ち上げフェーズ
    • ネットワーク開発、テストネット運用、メインネット立ち上げ、などのフェーズです。すでにフェーズは終了しております。
  • フェーズ3:一般開放フェーズ
    • 目的
      • 一般利用者がチェーンを利用しやすい環境を整える
    • 方針
      • Endpointを一般に開放、ノードプロバイダの拡大、エコシステムの拡大、手数料トークンの流動化を行い、利用者ベースの拡大を行っていきます。
  • フェーズ4以降:
    • 目的
      • エコシステムの規模や分散性を拡大し、ブロックチェーンネットワークの堅牢性・安定性を高める
    • 方針
      • 世界中のweb3アプリケーション提供業者との提携、ユーザビリティ向上のためのツール開発、ネットワーク安定性・堅牢性のための技術的研究開発の実施、ガバナンスの強化などを行っていきます。

9.6. 今後の展望

Japan Open Chainは「Ethereum完全互換 × 日本発の信頼性」を強みとし、2030年に向けて世界標準の次世代金融インフラとなることを目指します。日本企業による堅牢な運営体制と先端技術の融合により、安心・安全かつ持続可能なグローバルチェーンを構築してまいります。

10. プロジェクトのリスク

10.1 コミュニティリスク

プロジェクトの成功は、アクティブで健全なコミュニティに大きく依存しています。コミュニティが不活発になる、あるいは内部での対立が発生した場合、プロジェクトの開発や進行が遅れるリスクがあります。また、コミュニティの信頼を失うことで、プロジェクトの評価や価値が下落する可能性も考えられます。

10.2 セキュリティリスクと対策

Japan Open Chainは多層防御モデルにより高セキュリティを実現していますが、以下の潜在リスクに対して継続的な対策を実施しています:

10.2.1 暗号技術進化への対応

リスク: 量子コンピュータの登場と暗号技術の急速な進化

対策:

  • 量子耐性暗号技術の研究開発(v6以降で実装予定)
  • 最新セキュリティ標準の追随
  • 定期的なセキュリティ監査と更新

10.2.2 バリデータセキュリティ

リスク: 過半数のバリデータの同時侵害

対策:

  • 3層バリデータ構造によるリスク分散
  • ステーキングとスラッシングメカニズムによる経済的セキュリティ
  • コアバリデータの厳格な審査とKYC
  • オンチェーン監視システムによる異常検知

10.2.3 継続的セキュリティ強化

Japan Open Chainは以下の施策により継続的にセキュリティを強化しています:

  • 定期監査: 四半期ごとのセキュリティ監査とペネトレーションテスト
  • バグバウンティ: 脆弱性発見報告プログラム
  • インシデント対応: 24時間体制の監視と対応チーム
  • コミュニティ連携: セキュリティ情報の透明な共有
  • 技術更新: Ethereum最新セキュリティパッチの迅速適用

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